株式会社プロセスイノベーションからのお知らせ

お知らせ

2019年3月25日プロセスイノベーション代表取締役、山田豊文執筆コラムの公開

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2019年3月25日に当社代表の山田豊文が執筆したコラムが協力先である株式会学宣のホームページ上で公開されました。タイトルは「新入社員の戦力化における組織文化の重要性」です。内容は下記の通りです。

新入社員の採用ニーズと戦力化の意義
 現在、企業の新入社員採用ニーズが旺盛です。厚生労働省の発表では2018年3月卒業の大学生の就職内定率は98.0%であり、2012年以降、7年連続で上昇しています。一般的に新入社員採用ニーズが旺盛な年は人材の資質は物足りなく、反対にニーズが控え目である年は人材の資質が高くなると言われます。
 大手生命保険会社が行っている理想の上司アンケートでは、男性部門ではタレントの内村光良、女性部門ではアナウンサーの水卜麻美が2017年から2年連続で1位に選ばれました。この二人が2年続けて1位に選ばれた理由は親しみやすさにあるとされています。男性と女性共通に親しみやすさを重視して理想の上司を選ぶ傾向は就職戦線の環境が良好であり、若い世代の心構えに甘えが見えるという懸念があります。
 新入社員戦力化の意義は、入社時点の資質や心構えではなく、長期的な視点に立って問うべきです。自社の強みを継承して長期的な発展の基礎を築くことに新入社員の戦力化が貢献するはずです。
職場における戦力化への取り組み
  新入社員を採用する企業は期間の長短は別にして、必ず何等かの新入社員教育を行うはずです。しかし新入社員教育以上に重要になるのが配属先における日常業務を通じての戦力化、つまりOJTです。OJTの主担当は管理職ですが、同じ職場の先輩社員もOJTの効果に影響を及ぼします。
 例えば管理職が新入社員に余裕を持って出社することや電話に迅速に対応することを指導したとしても、職場の先輩全員が始業時間ギリギリにしか出社しなかったり、電話対応が遅いと、新入社員も先輩を模倣してしまいがちです。朱に交われば赤くなるということわざ通り、先輩社員の影響によって、管理職による指導の効果が限定されることが懸念されます。つまり新入社員の戦力化は、職場ぐるみで取り組みことが必要です。職場ぐるみで戦力化に取り組むことは、組織文化が強い影響力を持っていると言い換えることができます。
 組織文化とは、その組織の判断や行動の拠り所のことです。職場のメンバーの立ち振る舞いから組織文化を確認できます。組織文化は自社の強みの源泉になります。例えば顧客を大切にする組織文化は高い市場シェアに結びつくことがあります。管理職による新入社員に対する指導は、組織文化に準拠してこそ効果が高まります。新入社員を戦力化する上では、管理職が中心となって職場ぐるみで望ましい組織文化をつくることが必要です。

組織文化の重要性と管理職の役割
 組織文化から自社のあるべき姿を確認できます。職場の全員が余裕を持って出社するといった望ましい組織文化は、その職場に新入社員が配属される前につくり上げておくべきです。望ましい組織文化をつくる上げることは、管理職に期待される役割の1つです。自社のビジョンや経営理念は、組織としてのあるべき姿を示しているはずです。ビジョンや経営理念を組織に浸透させて、日常の業務に結びつけることで望ましい組織文化をつくり上げることができます。例えば経営理念に顧客満足度の向上が記されている場合は、電話への迅速な対応が日常業務で具現化されるべきです。経営理念が日常業務において具現化されていて、望ましい組織文化がつくられていることによって新入社員の戦力化を円滑に進めることができます。
 ビジョンや経営理念を組織に浸透させることは管理職の重要な役割であり、管理職以外に望ましい組織文化をつくることができる存在はありません。管理職が自らがマネジメントすべき対象の全員に働きかけて、ビジョンや経営理念を浸透させることを通じて、望ましい組織文化をつくることができます。今年の春に新入社員が配属されるか否かに関わらず、管理職が望ましい組織文化づくりという役割を果たすことが期待されます。