株式会社プロセスイノベーションからのお知らせ

お知らせ

全社的な変革での基本構想

(4)電卓と筆記用具
2018年から研修を継続的に担当している中堅製造業がデジタルトランスフォーメーションの推進を断念する。プロジェクトマネジメント研修での演習内容の発表で、この情報を入手した。この中堅製造業とは協力先経由の契約であるため、情報が断片的になる傾向があるが、4つのことがわかっている。1つ目はデジタルトランスフォーメーションに取り組む前に志願者を全社的に募ったこと、2つ目は志願者で取り組みを開始したこと、3つ目は一定期間経過後に中核となる組織としてデジタルトランスフォーメーション(DX)推進部を立ち上げたこと、4つ目が先日の研修でDX推進部を解散することである。この解散に関する情報を提供してくれた研修参加者は、志願者であったことが確認できた。
DXに限らず、全社的な改革では基本構想が重要である。魅力的な基本構想を立案すること、基本構想を全社で共有することの2つが成功条件である。今回のDX断念では基本構想の立案と共有の両方に不備があったことが想定される。魅力的な基本構想は3つの要素が必要である。1つ目は改革を通じた実現すべき状態、2つは改革において取り組みべき内容、3つは改革を推進する手順である。そして、この3つの要素を具体化することは全社的な共有を行いやすくする。
プロジェクトマネジメント研修は、魅力的な基本構想立案と基本構想の共有の両方を組み入れている。そのためDXの取り組みに参加する前にプロジェクトマネジメント研修に多くの志願者が参加していれば断念を回避できたはずである。