課題解決の本質
今回は中堅製造業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を断念することについて補足説明する。前回の活動記録では全社的な変革における基本構想の重要性を記載したが、全社的な変革とは課題解決の1つであり、基本構想は課題解決の起点となる課題と捉えることができる。また課題解決とは管理職と経営者に期待される組織運営の要素の1つでもある。組織運営の要素は業務計画の立案と実行、人材育成、課題解決の3つである。
課題解決とは、不具合解消の問題解決と異なり、「あるべき姿」の実現を目指すことである。この「あるべき姿」が課題であり、全社的な変革における基本構想に相当する。
本来は管理職昇格時から課題解決を意識すべきであり、「あるべき姿」を明確にすることに挑戦し続けるべきである。そのため全社的な変革としてのDXを断念してしまうことは管理職の育成失敗、経営者の役割放棄と考えることができる。
管理職の育成と経営者の役割遂行は研修だけで実現できるものではない。その企業の総合力を駆使して取り組むべきである。課題解決の本質を理解して、本気で管理職の育成と経営者の役割遂行に取り組む企業は少数派ではあるが、この少数派の企業の支援に注力していきたい。