株主総会の役員人事情報に基づく助言
毎年6月は多数の株式公開企業で株主総会が開催され役員人事が発表される。新しい役員の就任、既存の役員の昇格や退任といった動向は支援先に対する様々な助言の情報源となる。例えば大手薬品卸売業で社長交代があった場合、交代の理由などを確認した上で対応を助言できる。具体的には創業家から久しぶりに社長が選任された場合、創業家の人材と良好な関係を築けていれば、関係強化のきっかけとして活用できる。しかし社長交代の理由がコンプライアンスの強化といった守りの理由であれば、関係強化を急ぐことなく、社内体制の整備を待ってからじっくりと取り組むことが無難になる。
また会社設立後50年以上も社長を務めてきた創業者が後継者にバトンタッチするような人事が発表された場合には、社長が長期政権を担っている企業に対しては、後継者問題を検討するきっかけをつくることを助言できる。
社長の交代は、ほんの一例に過ぎない。それ以外には連結対象の子会社を親会社吸収して、親会社の1つの部門にする場合、子会社の社長という立場がなくなる事例などがある。この事例は子会社の社長の意欲を維持するための方策が助言内容になる。このように、今年も株主総会における役員人事に基づき、効果的な助言がしていきたい。