キャリア開発における職場定着の重要性
コロナ禍の影響からキャリア開発支援のニーズが高まっている。環境が変化しているために自らのキャリアを見直す機会を設定したいと考える人が増えているため、個別面談とワークショップを組み合わせてニーズに対応している。
有意義なキャリア開発を進めるには「長所の把握と発揮」と「職場定着」の2つが必要である。
キャリア開発では成功体験を通じた自信を獲得することが必要であり、そのためには何よりも「長所の把握と発揮」が重要である。
業務の遂行を通じて長所を発揮するには「職場定着」が必要不可欠である。多くの人にとっては数ヶ月程度の限られた期間で、自らの長所を発揮することは難しい。長所を発揮して、その結果として所属している組織に対して貢献するには、通常は2年ないしは3年という期間が必要である。つまりキャリア開発の前提が「職場定着」になる。
1人1人の人材が職場定着できるか否かは、その組織が持っている文化によって決まる。組織や職場が持っている文化(以下、組織文化)は判断や行動の拠り所であり、仕事における価値観である。
組織文化に適応すると人材が職場定着することができて、結果としてキャリア開発にも結びつく。現在の環境変化を機会として捉えて、新しい活躍の場を求めるためには、その組織が持っている組織文化を面接の場面などを通じて、見極めることがキャリア開発において極めて重要である。