株式会社プロセスイノベーションからのお知らせ

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新しい価値創出の源

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デジタルトランスフォーメーション(以下DXと略記)の効果は生産性の向上で把握できる。DXによって生産性を向上させるには2つの側面に分けて方策を準備すべきである。1つの側面が業務の効率化、生産性の分母となる投入量、具体的には人員や費用を削減することである。もう1つの側面が付加価値の向上、生産性の分子を増やすことである。現在、様々な場面で取り上げられているのは業務の効率化の側面であり、そのためのデータと業務のデジタル化の必要性をIT業界の企業などが積極的に主張している。
反面、置き去りにされているのが付加価値の向上の側面である。具体的には既存事業の売上高増加や新規事業の立ち上げなど、新しい価値創出に関する議論が盛り上がっていない。新しい価値創出の源は斬新なアイディアづくりにあり、思考方法が重要である。代表的な思考方法には論理思考、デザイン思考、アート思考の3つがある。
論理思考はMBA取得者が得意としている左脳中心の思考であり、斬新なアイディアづくりにはなじまない。デザイン思考はアイディオなどアメリカの企業が普及に貢献している。顧客を観察することで潜在ニーズに気づいて、潜在ニーズ充足のための仮説を描く、そして試作による検証を通じてニーズ充足の方策を実現していくことがデザイン思考の本質である。アイディオはパソコン用マウスをデザイン思考で生み出し、アップルはスマートフォンの開発で活用した。
デザイン思考は観察から仮説を描く段階で右脳を駆使する。デザイン思考よりも右脳を活用する思考方法がアート思考である。アート思考は芸術家のように直観を重視することが特徴である。ニーズありきではなく、思考する当事者の直感が出発点になる。しかし、アート思考にはデザイン思考のような成功事例が公表されていない。新しい価値創出におけるアート思考の成功事例公表が期待される。