組織文化の重要性
今回は前回(8月2日)の活動記録の続編として自己管理できる社員を増やすこと、そのための経営者の意識の重要性について補足説明する。
経営者にとって最も重要な役割として意識すべきことは望ましい組織文化をつくることである。売上高や営業利益といった経営成果を高めることも重要であるが、経営成果は環境に恵まることによって、良好な実績を残せることもある。環境が厳しく、経営成果が低下する懸念がある時こそ、経営者の真価が問われる。厳しい環境において全社一丸となって苦しい状況を乗り切ることができるような組織文化をつくることが重要である。組織文化とは、その組織にとっての判断や行動の拠り所となる価値観である。組織文化とは自分達は何者であるかを自覚することができる源となりうるため、アイデンティティとも呼ぶことができる。この場合、アイデンティティは本質、独自性、主体性と訳すべきである。望ましい組織文化をつくることは、アイデンティティを自覚して自己管理できる社員を増やすことにも直結する。
望ましい組織文化は日常の業務遂行によってつくられるため、経営者は現業の管理職の協力によって望ましい組織文化をつくっていくことになる。管理職による積極的な協力を引き出すには、管理部門の支援が必要である。人事や経営企画などの管理部門は社内制度を整備することを通じて、現状の管理職を支援できるためである。そのため、望ましい組織文化をつくるために、経営者、管理職、管理部門が連携して、各々の役割を果たすことが期待される。