株式会社プロセスイノベーションからのお知らせ

お知らせ

二刀流の成功と期待

190326ビジネスとワーク背広姿
アメリカ大リーグで大谷翔平選手が二刀流で活躍している。現地時間8月18日には投手として8勝目をあげ、同じ試合で40号本塁打を放った。大谷翔平選手の成功理由は、高校卒業後の2013年から地道な取り組みによる基礎づくりにある。具体的には投打の技術を磨くことのみならず、基礎となる身体能力を高めたことが活躍の裏付けになっている。二刀流が成功しない場合は、二刀流のいずれもが中途半端に陥ってしまう。大谷翔平選手の二刀流挑戦に、多くの野球評論家が反対した理由は、野球界では投打のいずれも中途半端に陥った失敗事例が複数、あったためである。
日本のビジネス界における失敗事例に経済産業省によるITコーディネータ制度がある。ITコーディネータ制度は、ちょうど20年前の2001年に導入された。経営とITをつなぐ架け橋として、経営改革をITを活用して実現する人材として期待された。つまり経営改革とIT活用の二刀流の人材をITコーディネータとして認定するための制度であった。
当初は大手のシンクタンク在籍者などが多数、資格を取得したことから2003年3月には3千人以上の人数になり、2005年3月には約6千人まで増加した。しかし、ITコーディネータ協会のホームページを見る限り人数は頭打ちである。理由は経営とITの両方の分野で中途半端な存在に陥っていることにある。経営改革では経営コンサルティング業界の専門家に、IT活用ではシステムエンジニアには太刀打ちできない状態にとどまっている。基礎となる構想立案能力、プロジェクト管理能力、ファシリテーション能力などを磨くことを怠り、短時間に人数を増やそうとしたためである。
デジタルトランスフォーメーションが注目されている環境下では、プロジェクト管理能力などの基礎を備えた経営改革とIT活用の二刀流人材の活躍が期待されている。